シャングリランズ

石神(シャクジン)・ミシャグジと繋がる英彦山行脚/鉱物の精霊神 2

前回からのつづきです。

わたしは常々、鉱物の神々は、鉱脈を守護するガーディアンスピリット、

つまり精霊たちである、と考え、

鉱物術教室で生徒さんたちに、

鉱物界の精霊たちとの繋がり方、対話の仕方を教えています。


日本では縄文時代から

石神を篤く信仰してきました。

磐座や御嶽、

あるいは森の神々として

石神はどんな地域、どんな環境にも存在して

その地域のシャーマニックな意識を持つ人々と繋がり

交流してきたのです。


ゆえに日本人はいまでも森や山、

あるいは田園といった生活と繋がる自然空間のなかに

自然界の神々が存在すると考え、

自然を常に敬い、共生する文明を愛してきたはずでした。


しかし、中央集権国家としての大和政権が

列島を統治して以来、

自然との共生文明は

農耕文明の邪魔者として扱われはじめ、

徐々に生活の中から排除され、

近代以降は完全に富国強兵の元、

環境開発、破壊に伴い

ただの迷信の類に貶められてしまいました。


いまや、自然の中の精霊と言葉にしても

合理主義信者たちである日本人の大多数の人々は

単なるファンタジーの戯言程度にしか

認識しません。

しかし、どれだけ排除し、破壊しようとも

自然と精霊のエネルギーが失われれば

わたしたち日本人の精神的なアイデンティティは崩壊し、

文化の根幹を失ってしまうのです。

21世紀に入って、宮崎駿作品によって

その喪失感をわたしたちははっきりと認識できたのでしょう。

いまだに少数派ですが、

日本人の意識の奥底に流れている

アニミズムの感性、

精霊信仰へのアンテナは

徐々に目覚めてきているとも感じます。

前置きが長くなってしまいました。

わたしの頭の中でリピートする

「ミシャクジ」という言葉を調べると

それは「ミシャグジ」だったのです。


民俗学者柳田国男は、「ミシャグジ」について、

塞の神=境界の神であり、大和民族に対する先住民の信仰の中心存在であると

述べています。

では賽の神=境界の神とはいかなる神なのでしょうか?

つづく

 

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