シャングリランズ

人類とクリスタルの物語 8

前回からのつづきです。


完全なアトランティス文明の「コピー」であったエジプト文明において、

わたしがもっとも重要視しているモノがあります。

それはピラミッドやスフインクスではなく、

「エメラルドタブレット」です。


「エメラルドタブレット」とはいったいどのようなものなのか。

簡単に言えば、エメラルドの石板に錬金術の奥義、基本思想が刻まれた板ですが、

実物は確認されていません。

現存してるのはその翻訳文のみ。

その情報を記したのはヘルメス・トリスメギストであり、

エジプト、ギザの大ピラミッド内部のヘルメスの墓から発見されたと伝えられています。

発見した者は、アブラハムの妻サラ、あるいはテュアナのアポロニオスが、

さらにはアレクサンダー大王が見つけたという説もあります。


トートは、三度、人間の肉体へ化身し、

その3度目の転生がヘルメスと言われています。

つまり、トートは三度、エメラルド・タブレットを書き記したと言われており、

ヘルメスである時に書かれた エメラルド・タブレットよりも、

トート(トス/Thoth=トート)である時に書かれた

エメラルド・タブレットの方がより素晴らしい、されています。

トートとはアトランティス文明における王であり、

彼自身が「劣化・腐食しない12枚のエメラルド色の板」 に書き記した、と書かれています。

トートもアトランティスも現時点では

単なる「伝説」です。

しかも、このエジプトのピラミッドに保管されていたと言われる

エメラルド・タブレットに至っては実物としては存在していません。

実物の存在が確認できない、この石板のメッセージが

21世紀の現在になっても

わたしたちを惹きつける力を放っているのはなぜなのか。

その理由はそのメッセージの内容にあるのです。


エメラルドタブレットの原文を読むと、隠喩、寓意に満ちた内容となっており、

読む人の解釈でどうのような受け取り方もできるメッセージとなっていますが、

根本的な部分は、錬金術の本質を語っていると思われます。

それがこの謎の石板が、存在が確認でになき内にも変わらず

時代を超えてわたしたちを惹きつける理由なのです。

つまり、その石板のメッセージには、

生命の樹の宇宙観、生命観がそのまま表されていて、

卑金属から金を生み出すように人間の魂、意識を「大地から天へと」と昇華させていく修道過程が

深い叡智につながる表現で表されているのです。

これほどの秘教的な智慧が単なる「オカルト伝説」であるわけがないのです。

それは「賢者の石」の秘密の伝承であり、

部分のなかに全体があり、全体と部分は一体であるという

上位のものから下位のものが生じ、

秩序的連鎖のもとで照応・感応し合っているという存在の大いなる連鎖を主眼とする

ヘルメス思想の原典であると言えるでしょう。

その象徴的な一文が錬金術の基本原理である

「下なるものは上なるもののごとく、上なるものは下なるもののごとし」です。

つまり、これはマクロコスモスとミクロコスモス(大宇宙と小宇宙)の相似ないし照応について語られている、

ということ。


また1925年、メキシコ・ユカタン半島のピラミッド内で

別のエメラルドタブレットが複数枚発見されたという報告もあります。


発見したのはアメリカの神智学者モーリス・ドリール。

このタブレットの内容はその後書籍で発表されました。

日本でも翻訳本が出版されています。

ドリールによるとタブレットは12枚発見され、その内容を全て写し取って翻訳し、

タブレット本体はピラミッドの内部へ戻したということ。

内容は古代アトランティス人のトートによる情報で、

『われ、アトランティス人トートは、諸神秘の精通者、諸記録の看守者、力ある王、正魔術

師にして代々代々生き続けるものなるが、今やアメンティーのホールに去り行かんとするにあたり、

後世の手引きとせんため、偉大なるアトランティスの強大なる智恵の記録を書きとどめんとす』


というもの。

これによりエジプトから、ユカタン半島までアトランティスの支配が及んでいたことを推測させます。


わたしがこのエメラルドタブレットの存在でもっとも重要視しているのは

内容もさることながら、

エメラルドの石板に情報を書き込んだということです。


エメラルドといえば、とてもパワフルかつ霊的なクリスタル。


わたしのリーディングでは、ハートの愛とつながるクリスタルであると同時に

両性具有、男性性と女性性の調和をもたらす鉱物として、

これからの人類に霊的な目覚めをもたらすクリスタルのひとつとして捉えています。


そこで、なぜ、アトランティスの王が、後世の人類が発見することを

見通して、エメラルドの石板にメッセージを保存したのかを

次回から考察していきたいと思います。

 

つづく。

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